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気分を変えて文体を変えて。

昔の友人が東大の大学院へ進学していると風の噂で聞いた。
当時から非常に頭の良い人物ではあったが、それ以上に変わってもいた。
同級生に聞けば10人が10人とも『変』と形容するような、そんな友人。

ボサボサの髪と、小太りな身体と、垂れた鼻水。女子に好かれる要素は決して無かったが、嫌われてはなかったと思う。イジられキャラで明るい性格だった。

良くも悪くも注目される。あぁこういう人間も居るのだと、子供ながらに思った。

小学校高学年の時に一番仲が良かったのが恐らく僕だった筈だ。
話した内容までは憶えてないが、休み時間の度に喋っていた気がする。
小学校を卒業した後、僕を含めた大半は近場の中学校へと進学したが、彼は進学校と呼ばれるような別の中学へ行った。それ以降は、会っていない。

…いや正確には成人式の時に顔を見かけはしたのだが、何故か話さなかった。どうにも話しかける気になれなかった。本当に、何故なんだろうか?その時を思い出すと今でも少し考えてしまう。仲は良かったはずなのに。

だから僕は、未だに彼の連絡先を知らない。彼が今何を目指して勉強しているのかも知らない。機会があれば「頑張れ」とでも言ってみたいが、ひょっとしたら彼はもう、僕の事なんて忘れているかもしれない。

ただそれでも、僕は生涯彼の事を忘れたりはしないだろう。忘れたくは無い。
あの日を。あの時間を。あの瞬間を。彼が残した小さな奇跡を。いつまでも憶えていたいと思うのだ。

鼻提灯を出して授業中に昼寝。